『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』を最速で学ぶ(1)~(8)の統合版

◆頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)
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『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』を最速で学ぶ

私は過去に、ある研究所で「オステオパシー療法」の括りの中の一つとしての位置づけで、

『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』

を勉強させていただく機会を得ましたが、まず最初に学んだのは

『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』

と言うものでした。

学ばせていただいたのは、はるか昔のことですので、今はどうなのかはわかりませんが、

『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』

は、全身のどの部位からでも『脳脊髄液の循環リズム』に伴って発生する、体のわずかな動きを触診できる繊細な手の感覚が要求されるため、当時は治療家の方でも苦手意識を持たれる方が多かった様に思います。

私の場合は、たまたま…と言いますか、運よく…と言いますか、なぜかこの施術法との相性が良かったようで、習い始めたその瞬間に、この『脳脊髄液の循環リズム』に伴って発生する、体のわずかな動きを触診することがき、それ以来メインの施術法の一つとして、様々なケースに応用してきました。

この『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』は…

アメリカのジョン・E・アプレジャー博士によって開発されたもので、様々な難治性の症状に素晴らしい効果を発揮することで有名で、掘り下げていけばいくほどに止めどもなく奥深く、難解なものでもある様に、個人的には感じています…。

でもその反面、その良しあしは別として(私は良い意味で…と言う前提でこれ以降を進めさせていただきますが…)、この『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の極々一部の、そのエッセンスをうまく使いこなせば、

この施術法に苦手意識を持っている施術家の方でも、現在お持ちのテクニックにそれをプラスアルファすることが出来ますし、

一般の素人の方でも、ご家族やご自身の健康管理のための、優れた家庭療法としてご活用いただけるのではないかと思います。

…と言う事で、これから

『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』の中から、いくつかの手法について取り上げ、それをどなたにでも行っていただけるように、私なりに分かりやすく解説させていただきたいと思います。

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 お願い

このページで紹介させていただいている『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』についての考え方やその方法は、私が過去に専門の研究機関で学ばせていただいた事をベースに、私個人のこれまでの経験を通して体得した、自分なりのコツや考え方も一部取り入れています。

この点を事前にご理解いただいた上で、これ以降の内容を読み進める場合には、必ず以下の重要確認事項をお読みの上、その内容の全てに同意していただける方だけがお読みください。

※同意していただけない方は、今すぐこのページを閉じて下さい。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

これ以降の内容をお読みになった時点で、上記の免責事項をご了承頂いたものとみなします。

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  1. 1.理論編
    1. (1)頭蓋骨は動いている…
    2. (2)本当にできるのか…!?
    3. (3)注意すべき点…
    4. (4)脳脊髄液の循環している場所
  2. 2.実践編①
    1. (1)自分の脳脊髄液の循環リズムを測ってみよう!
    2. (2)『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の実技
      1. 1)静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)
  3. 3.実践編②
    1.  (1)それでは、一体どこからどうやって静止点まで誘導するのか…!?
      1.  1)実際に、足首から『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』を行ってみる!
      2. 2)『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』は何分ぐらい行うべきか?
      3. 3)『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』はどれぐらいの頻度で行うべきか?
    2. (2)『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』をさらに効果的に行う方法について
  4. 4.実践編③
    1. (1)静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)をセルフケア化する
      1. 1)実施方法
      2. 2)実施の際の注意点
  5. 5.実践編④
    1. (1)頭蓋骨の動きを調整する
      1. 1) 前頭骨の調整
        1. ①手の形のつくり方
        2. ②手の置き方
        3. ③前頭骨の動きを感じ取りながら『脳脊髄液の循環リズム』を調べてみる
        4. ④前頭骨から『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』をおこなう
  6. 6.実践編⑤
    1. (1)頭蓋骨の動きを調整する
      1. 1)頭頂骨の調整
        1. ①手の形のつくり方
        2. ②手の置き方
        3. ③頭頂骨から『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』をおこなう
  7. 7.実践編⑥
    1. (1)3つの手技法の運用方法
      1. 1)施術手順とその考え方
      2. 2)実際の施術手順の一例
        1. ①『静止点誘導(スティール・ポイント)』で15分を目安に静止点まで何度か誘導する!
        2. ②『前頭骨の調整』を2分半から~3分間行う!
        3.  ③『頭頂骨の調整』を2分半から~3分間行う!
        4. ④最後にもう一度『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』を3分から~5分間行う!
      3. 3)補足
  8. 8.補足編
    1. (1)『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の施術例
      1. 1.慢性頭痛の小学生男児の例
      2. 2.慢性頭痛の成人男性の例
      3. 3.慢性疲労の成人女性の例
      4. 4.てんかん発作の幼稚園女児の例
      5. 5.肝機能障害の改善例
    2. (2)クレニオ・セイクラル・セラピー関連の参考書籍

1.理論編

(1)頭蓋骨は動いている…

…さて、その「頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)」

『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』

についての解説に入りたいところなのですが、その前に皆さん…

「頭蓋骨が動いていること…」ごぞんじでしたか…!?

うそのようなホントの話!頭蓋骨はゆ~ッくりと静かに動いています…

例えば皆さんの頭のてっぺんのあたりを5gぐらいの力(よく言われるのはA4サイズの紙一枚ぐらいの重み…)で、両方の手の平でまんべんなく、包み込むように触れてみて下さい。

そして、心を静めて、手の平と頭部の接点に意識を集中していると、わずかに頭蓋骨が膨らんだり、しぼんだりしているのが、わかる人にはわかると思います(最初はなかなかわからないくらいの非常にわずかな動きです…でも慣れれば誰にでもわかります)。

これは、脳から脊髄全体をまるで洗うかのごとく、一定のリズムでゆっくりと循環している脳脊髄液と呼ばれる無色透明の液体が、ポンプの様な作用で頭蓋内で生成されたり、脊髄の方向に流れていくときに時に起こる現象で、

この動きは、頭蓋骨の様々な箇所で、また慣れてくれば全身のいろいろな部位において、触診で確認することが出来ます。

この脳脊髄液と呼ばれる無色透明の液体は人の生命の源とも言われ、人体にとっては重要な役割を果たしています。

特に人間が本来持っている自然治癒力は、この脳脊髄液の循環が正常に行われているかどうかによって大きく影響を受け、この脳脊髄液の流れがわるくなれば、神経に十分な栄養が供給されず、代謝機能が低下し各器官の正常な働きが阻害される為、その状態が長引くと、病院では異常なしとされながらも、すっきりと取り去ることの出来ない、様々な慢性的な症状を引き起こす原因となったりもします。

この脳脊髄液の循環の正常なリズムの目安については諸説いくつかあるようですが、健康な人で、通常毎分6~12回とも言われていますので、自分自身で、この脳脊髄液の循環リズムを測定すれば、今現在の自分の健康状態や自然治癒力、免疫力がどの程度のレベルで維持出来ているかを知る事が出来ます。

そして、このリズムが毎分6回を下回っていたり、逆に12回を大きく上回っている状態になっていれば、人体に何らかの変化が起きている可能性がある…と判断することもでき、このリズムを正常な状態に戻すための何らかの処置が必要となる訳ですが、

この様な時に抜群の威力を発揮するのが、頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)です。

この頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)は、何らかの症状を訴えている方の、頭蓋骨のそれぞれの、縫合部分のミリ以下の僅かな開閉や全身の各部位をつぶさに触診し、脳脊髄液の循環リズムの異常が診られる部位を見つけ出します。

そして、それらの異常箇所に極めて軽い圧力でタッチし(よく5gのタッチと表現されます…)、脳脊髄液の循環リズムが自然に正常な状態に回復して行く様に導いていく、安全で極めてナチュラルな治療法です。

非常に軽いタッチ(イメージ的には5g程度…)で触れるため、受けている方はまるで何をされているのかわからない様な印象を受けることと思いますが、不思議なもので、この非常に軽いタッチに人間の体は極めて良く反応し、不安定になっていた『脳脊髄液の循環リズム』が自然に正常な状態に回復していきます。

そして、この『脳脊髄液の循環リズム』が正常化されることによって、機能低下を起こしている部位は適度に亢進し、過剰に機能が亢進しすぎている部分は、適度に鎮静化してくるという興味深い反応が起こり、

このことによって、全身の機能の正常化とその方に必要な全身調整がなされ、様々な症状が快方に向かいやすくなるのです。

(2)本当にできるのか…!?

ここまでの説明を読むと、「そんな難しいことが素人にできるのか…?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はありがたいことに…

特に専門的知識をもたない素人の方や、まだ脳脊髄液の循環リズムの異常箇所のある部位を触診できるだけの手の感覚がない方でも、この「10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)」の通りに、相手の体に触れていてあげるだけで、安全に十分な効果が出せることが多くあるのです。

この点がこの療法の家庭療法としての取り組みやすさの理由ですし、さらにこの『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』は他の治療法とも大変相性が良く、専門医の先生が行ってくれる病院での治療に対しても、その邪魔をすることなく、逆にそれをより効果的なものにしてくれる可能性が高いです。

例えば、病院での専門的な治療の過程でやむを得ず発生してくる、様々な副作用の問題なども、最低限に抑えられることが実際に多くあります(体内の浄化作用、解毒作用が高まります…)。

(3)注意すべき点…

このサイトでは、『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の数ある技術の中から、一般の方が、家庭療法として応用しても差し支えない範囲の、極々一部の技術を解説し、必要な方には家庭療法として、自分自身はもちろんのこと、ご家族や大切な人のために、自己責任の範囲内で行っていただけるようになることを目的としています。

しかし、この『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』が極めてソフトで安全な方法であるとは言え、取り組むにあたって最低限注意しておくべき点もあります…。

具体的なテクニックについては、これ以降順次解説していきますが、この『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』は頭蓋~仙骨間の脊髄内の『脳脊髄液』の流れを調整する訳ですから、体の中での水の成分の圧の変動(水圧の変動…)、すなわち体内圧の変動が発生します。その為…

①脳血管障害(脳卒中や脳梗塞など)で現在医師の厳重な管理下にある状態の方。

②血圧の異常に高い方

などに対しては、全くのノンストレスと言う訳でもありません…。

でもその反面、実際にはこの①~②のような方にも、この『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』は非常に有効に作用すると言う事実もあります…。

脳血管障害の既往のある方なども、自宅での生活がどうにか可能になっているレベルであれば、この療法に取り組むことによってその予後が非常に良くなる場合もありますし、高血圧でお悩みの方でも、血圧の安定化に大きく役立ちます。

その意味では、このような方々にこそ積極的に取り組んでいただきたいので、私自身はこれらの方々に対してもドンドン施術していますが、前述の通り体内の水の成分の圧の変化を起こし、『脳脊髄液の循環リズム』を正常化していくわけですから、そのプロセスで、頭蓋をはじめ、体内の各部位に何らかの圧力変化が起こりますので、それなりの配慮と慎重さは絶対に必要です。

このページをお読みの方は、あくまでも自己責任の範囲内で取り組んでいただかなければなりませんので、この点を十分にご理解の上、くれぐれも慎重な判断をお願いいたします。

③現在、出血性の疾患のある方

…体液循環が急速に活発になりますので、現在内臓などから出血があり、医師の治療を受けている方には行わないで下さい。

④常識的に考えて、医師の専門的治療を優先すべき状態にある方。

⑤上記以外でも、相手の方が嫌がったり、あなた自身の判断で、施術をためらわれる様な状況にある方には行わないで下さい。

上記のことが十分に理解でき、厳守できる方だけ、これ以降にお進み下さい!

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(4)脳脊髄液の循環している場所

さあ、それではいよいよ「頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)」の勉強をはじめることにします!

まず、下の図をもとに、この『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』のポイントとなる“脳脊髄液の循環リズム”について、ご説明します。

この下の図は、人間の“脳”と“脊髄”の断面を、側面から見たものです。上の丸い部分が“脳”、そしてしっぽの様に下まで長く伸びているのが“脊髄”で、脊柱管と言われる背骨の穴の中を通り、仙骨と言われる骨盤を構成する骨までつながっています。

この“脳・脊髄”を包み込むように、頭蓋骨から仙骨までの間の椎骨の内側には硬膜といわれる膜があり、さらにその内側に、クモ膜と軟膜があり、これらが脊髄をおおい、保護するように付着しています。

(注:椎骨とは…いわゆる背骨といわれるものを構成する首~腰までの間に連なっている一つ一つの骨のこと。)

そして、“脳脊髄液”は図の様に、硬膜、クモ膜と軟膜の間を循環し、全身の神経組織への栄養供給を行っています(ただし、この図はかなり大雑把に描かれていて、実際の脳脊髄液の流れは図中の赤い矢印の様な流れとは異なります…だいたいのイメージとしてご理解下さい)。

その為、何らかの理由で…例えばどこかの椎骨の位置がわずか数ミリでも変位を起こしただけで、それに引きずられて、硬膜のねじれなどが起こり、その部分だけ“脳脊髄液” が流れる隙間がせまくなってしまいます。

こうなりますと“脳脊髄液”の正常な流れが滞ってしまい、神経組織への栄養不足がおこり、これが原因で慢性的な痛みやいろいろな症状が起こることも多いのです。

この様な状態のとき、この問題のある箇所に極めて軽い圧力でタッチし、“脳脊髄液の循環リズム”が正常な状態に、自然に回復して行く様に導いていくのが、今回皆さんが学ばれる『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』と言われるものです。

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2.実践編①

(1)自分の脳脊髄液の循環リズムを測ってみよう!

『脳脊髄液の循環リズム』は、自分自身の体のどの部分でも感じ取ることが出来ます。肉眼では分からない、ものすごく小さな微妙な動きですので、手の皮膚感覚をとおしてのみ感じ取れます。

最初の内はちょっと分かりにくく、戸惑われるかも知れませんが、手の感覚が磨かれてきて一度感じ取ることが出来たら、それ以降は全身のどこを触っても、大きくハッキリと感じ取れる様になります。

もし仮に、『脳脊髄液の循環リズム』を触診で感じ取ることがなかなかできない段階の方でも、今後解説していく手順どおりに、ソフトタッチで相手の方の体に触れていてあげるだけで、十分に効果は出せます。

私か開設しているスクールの生徒さんの中にも、

「分からないまま、習った通りやってみたら成功した…!自分でもびっくりした!」

と言う方も多くいらっしゃいますので、どうぞご安心下さい。

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さて、先ほどこの『脳脊髄液の循環リズム』は全身のどこででも測ることができると申し上げましたが、最初は比較的分かりやすい部位で練習をしてみましょう。

先ずは、『脳脊髄液の循環リズム』に合わせて、わずかに膨らんだり、しぼんだりしている頭蓋骨にタッチして練習してみます。初めての方には、この部位が比較的分かりやすいかも知れません。

手順は、下の写真の様に、頭のてっぺんの頭頂骨と言う部分に、軽く両掌をおいて測ります。両手の指は軽くクロスしても、しなくてもかまいません。また、両掌は均等に頭皮に軽く触れるイメージで、その微妙な力加減は、よく“5gタッチ”と言う表現であらわされることもあります。

“5gタッチ”と言われてもピンと来ないかも知れませんが、とりあえずはA4サイズの紙を1枚ぐらいの重さをイメージしてもらうと良いと思います。

もしお手元にA4サイズの紙があれば、下の写真の様に、ご自分の前腕部にそ~っとのせてみて下さい。あまり厳格に“5gタッチ”にこだわる必要もありませんが、これぐらいふ~んわりと優しく伝わってくるぐらいの、ソフトなタッチということです。

あなた自身の手が、相手の方の体にこれぐらいの触れ具合に感じられる様にそっとタッチすることが出来ていれば、相手の方も、その部分に同じ様に、あなた手のソフトなタッチを感じているはずです。

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さて、それでは先ほどの、あなたご自身の『脳脊髄液の循環リズム』を測定する練習に戻ります。

①まず、今ご説明した“A4サイズの用紙1枚”の触れ具合を十分に思い出しながら、上の写真の様に両掌であなたご自身の頭のてっぺんに触れてみて下さい。このとき、両掌全体が頭部にまんべんなく均等に触れるようにして下さい。その為には、必然的に両掌の形は、自然にあなたの頭の形に応じた丸みを帯びたものになるはずです。

②慣れない内は、髪の毛がじゃまをしてわかりにくいかもしれませんので、髪の毛のボリュームのある方は、なるべく髪の毛をかき分けて、頭皮に近い部分を触れる様にすると分かりやすいかも知れません。

③ソフトタッチでご自分の頭に両掌をセットできたら、そのままご自分の両掌と頭部の接触面に意識を集中して下さい…。

④そのまま引き続き、1~2分ほどじ~っとご自分の両掌に伝わってくる頭部の動きに意識を集中して下さい(秒針のある時計が目の前にあるといいですね…。)。

⑤いかがでしょうか…!?静かに意識を集中していると、本当~に微妙~な感じで、頭のてっぺんが一定のリズムで上に持ち上がったり、左右にひろがったりしながら、あなたの両掌をわずかに押し返し、その後また戻っていくのが、分かる人には分かると思います。人によっては、頭部全体が風船のようにそ~っと膨らんだり、しぼんだりする様に感じられるかも知れません。

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いずれにしても、難しく考えず、「あっ!これかなっ!!」と思えるような動きがわずかでもあれば、それを信じて、その動きをしばらく感じ取り追跡してみましょう…。

参考までに、この膨らむ様な現象は、頭蓋内で“脳脊髄液”が生成された時に起こるもので、この動きを「屈曲」と言います。逆にしぼむ様な現象は、“脳脊髄液”が吸収される時に起こるもので、この動きを「伸展」と言います。

この段階でうまくご自分の“脳脊髄液の循環リズム”を感じ取れなくても、今の段階では全く気にする必要はありません。

この触診は一度理解できると、全身のどこを触れても瞬時に分かる様になるのですが、なれない内は本当に戸惑うものです。暇があったらしょっちゅう頭に触れて練習してみて下さい。必ずその内にわかります。

仮に、万一いつまでたっても分からなかったとしても大丈夫です。前述のとおり、これ以降で解説させていただく手順で、相手の方の体にソフト触れていてあげるだけで、適応症となるケースの場合であれば、十分に目的とする効果は出せますので、どうぞご安心下さい。

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さて、頭部のわずかな動きを感じ取ることができた方は、もう一度トライして、秒針のある時計を見ながら、ご自分の“脳脊髄液の循環リズム”が1分間に何回あるのか測定してみましょう。

膨らんで、しぼんだら1回と数えますのでお間違えのないように(膨らんで1回、しぼんで1回ではありません…)。

そして、この段階でまだ“脳脊髄液の循環リズム”を感じ取ることが出来なかった方は、更に頑張って2~3分の間、感じ取る努力をしてみましょう…。

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さて『脳脊髄液の循環リズム』が分かった方…

1分間に何回ありましたか? 通常1分間に6~12回のリズムが確認できるはずです。一概には言えませんが、1分間に6回を下回っているなら、体に何らかの機能の減退があることが考えられます。

その逆に1分間に12回を大きく上回っている場合は、何らか理由で、体が何かと闘っている可能性があるとも言われています。ただし、

私の経験から言えば、数回ぐらい多くても、少なくても、それは数え間違いかも知れないし、仮にそうであっても、しばらくの間優しくタッチし続けていると、自然に自動調整がなされ、正常範囲内に治まるのが普通です(このメカニズムについては後述いたします)。

それと、この『脳脊髄液の循環リズム』は脈拍の様に、運動することによって上がったり、休むことによって下がったりすることはありませんので、この点も覚えておいて下さい。

あと、今自分がとても健康なのに、1分間に12回を相当に大きく上回る回数が確認できた場合、それは『脳脊髄液の循環リズム』ではなく、呼吸のリズムによる体の動きや、自分の指などの脈拍を『脳脊髄液の循環リズム』と思い込んで数えてしまっている可能性があります。

分かるまで何度も練習してみてください。

(2)『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の実技

このサイトでは、『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の数あるテクニックの中でも、一般の方が、家庭療法として安全に取り組める

「10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)」

というものの一部について学びます。

これは『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』で効率よく効果を上げられる様にするために、この『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』開発者である、ジョン・E・アプレジャー博士が、この療法のエッセンスを10段階の治療手順にまとめたもので、

全身の中でも、特に 『脳脊髄液の循環リズム』を乱す原因がおこりやすい場所を、10段階の手順ですべて調整して行くところに特徴があります。

とは言え一般の方が行う場合、相手の方の症状の根本原因となっている異常個所がどこにあるのかを判断するのはなかなか難しいものですが、今ご説明したように、この

「10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)」

にしたがって行いさえすれば、『脳脊髄液の循環リズム』を乱す原因がおこりやすいと考えられるところをすべて調整することができますので、

仮にあなたが、相手の方のその症状の原因となっている部位を特定しかねていても、かなりの確率で、その原因となっている部位をカバーできてしまいます。

また、仮に問題のないところを調整してしまったからといって、何か不具合が出て来る訳でもありませんので安心です。

そして今回このサイトでは、「10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)」の中から3つの基本手技だけを取り上げ、詳しく解説させていただきます。

※(残りの手技につきましては、また別の機会に譲ることとさせていただきます。)

1)静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)

最初は『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』というテクニックです。これはこの『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』の中でもかなり重要な技術です。極端な話、応用力を身につけさえすれば、この『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』と言う手技一つだけでも、様々なケースに対応できます。

私の経験からその一例をお話しますと…

①15年以上のリウマチの炎症性の痛みで、日常生活の動作にかなりの支障があった70才の女性の方が、忍耐強く継続することで、大幅に痛みを軽減させ、痛みで十分に出来なかった、食器洗いや、洗髪などの、日常の動作がかなり楽に行える様になりました。

②39度以上の熱のあった男性の方を、20分程度の施術で平熱に戻すことが出来ました。その方は、そのまま何の苦痛もなくその日の予定を普通にこなすことが出来ました。

③習ったばかりの主婦の方が、足首捻挫をした直後で歩行困難な状態だった高校生の息子さんに試したところ、はれが大幅に引き、痛みもかなり和らぎ、翌日自力歩行で学校に行くことができました。

またその方が実家に帰省された際、胃のむかつきと、膝の痛みで困っていたお母様に試したところ、胃の調子もすっかり良くなり、

膝の痛みもかなり引き、楽に動けるようになりました。

もちろん、全てのケースにおいて同じ様な効果が出せるという保証はできませんが、皆さんも、この『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』を学んだら、どんどんいろんな人にやってあげて下さい。その効果を実感できるケースにきっと出会うことと思います。

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さて、実技練習に入る前に、先ほどの練習で“脳脊髄液の循環リズム”を感じ取ることができた方は、その際に感覚的にそのリズムをどんなふうにとらえることが出来たでしょうか…!?

きっと下の図の様な感じで、ほぼ一定のリズムで、頭蓋骨が、膨らんでは~しぼむ…膨らんでは~しぼむ…と言う様に動いているのを感じ取られたのではないでしょうか!?

ここで一つ、重要なポイントです!ぜひ覚えておいて下さい!!

この『静止点誘導(スティール・ポイント)』と言うテクニックは、上の図の様に、周期的に繰り返されるリズムを意図的に手技によって静止状態に誘導して行くものなのです。例えば下の図の様な感じです。

この図をご覧いただきますと、何回か「膨らむ~しぼむ」を繰り返していたリズムが、あるところから膨らみっぱなしになり、その状態をしばらく持続してから、ふたたび「しぼむ~膨らむ」と言うリズムに戻っていますね。この膨らみっぱなしになっているときが、『静止点(スティール・ポイント)』と言われる状態の一つのパターンです。

あるいは、こんなパターンもあります。下の図をご覧ください…。

今度は逆ですね…通常どおり繰り返されていたリズムが、しぼみっぱなしになり、その状態をしばらく持続してから、ふたたび「膨らむ~しぼむ」と言うリズムに戻っています。

このしぼみっぱなしになっているときも、『静止点(スティール・ポイント)』と言われる状態です。

さらに言えば、下の図のようなパターンもあります…。

今度は、膨らむ動きと、しぼむ動きの中間ぐらいで、じ~っと止まっていますね…これもまた『静止点(スティール・ポイント)』の一つのパターンなのです。

では、この静止点が一体なんだって言うのでしょうか…!?

実は、不思議なもので、この『静止点(スティール・ポイント)』と言う状態に入ったときに、その方にとって必要な治癒が起こるのです! 

それがなぜなのかは、未だにはっきりと解明されていない部分が多いです。でも、解明されていなくても、効果があることが分かっているものなら使わない手はないですよね。難しく考えずどんどん使ってみましょう!

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この『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』の応用範囲は実に広いです。一般的に思いつきやすい…

頭痛/運動器系の問題/内臓疾患/花粉・アトピー・ぜん息などのアレルギー症状全般/リウマチなどの自己免疫疾患/慢性疲労症候群/自律神経失調症/不定愁訴/

などについてはもちろんのこと、

風邪やインフルエンザの際の解熱/感染症の克服/捻挫などの突発的なケガの治癒過程の促進/

などにも幅広く対応できますし、決め手となるものがない、いわゆる難病と言われるものと向き合っている方の体調維持管理の一つの手段としても、非常に有効なものとなり得ます。

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3.実践編②

 (1)それでは、一体どこからどうやって静止点まで誘導するのか…!?

さて、それでは一体どこからどうやって“脳脊髄液の循環リズム”を『静止点』まで誘導して行くのか?…ということについてです…。

実は、この『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』は全身のどこからでも行えます!

手の指先1本からでも、足の指先1本からでもどこからでも行えます。ウソではありません。

ただ、あまりにも細かい部分から行うのは、全身にその作用を及ぼすさいの効率…と言うものを考えたときに、遠回りになりますので、通常は、後頭部(後頭骨)や仙骨、足首などから行うのが一般的です。

初心者の方にとっても、あまり小さな部位から誘導するよりも、これらの部位から行ったほうが、『脳脊髄液の循環リズム』が分かりやすいと思います。

今回の解説では、先ず第一番目の手技として、

足首からの『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』

を解説します。

 1)実際に、足首から『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』を行ってみる!

以下、その手順の説明です。

①相手の方に仰向けに寝てもらいますベッドでも床でもどこでもかまいません。

②あなたは、相手の方の足側に座って下さい。

③下の図の様に、両手で相手の方の『かかと』のあたりを優しく包み込むように持って下さい。

④具体的には、下の写真のような感じです。あなたの手の位置が決まったら、あなたの両掌が相手の方の足にまんべんなく包み込む様に触れているかどうか? 或いは、指先だけで強く握り、指先が食い込む様な感じになっていたり、一部分にだけ隙間が空いたりしていないか? 相手の方の足の形状に合わせて、あなたの両掌の全てが均等に触れているかどうかを確認して下さい。

⑤準備が出来ましたら、そのままの姿勢で静かに、相手の方の足と、あなたの両掌の接触面に意識を集中し続けて下さい。

⑥いかがですか…!?下の図の矢印の様に、相手の方の足が外側の方向に回転する様にわずかに開き、あなたの両掌をかすかに押し返してくるのが分かるでしょうか…!?

相手の方の足が開き、あなたの両手を軽く押し返してくるときを、屈曲と言って、頭蓋内に『脳脊髄液』が生成されたときに起こる動きです。

そしてその逆に、開いた足がもとに戻る様に閉じて行くときを伸展と言って、『脳脊髄液』が吸収されるときに起こる動きです。

もし、回転する様にわずかに開く感じがわからなくても、相手の方の足がわずかに膨らんでくる様な動きを感じられればそれですので、感じ取る努力をして下さい。

全く何にも感じ取ることが出来なくても、気にする必要はありません、やがて必ず分かりますし、分からないままでも、それなりにきちんと施術を行うことは出来ます。

『脳脊髄液の循環リズム』をカウントするときは、先にも述べましたように、この屈曲(開いて)~伸展(閉じて)の一往復を1回として数えて下さい。

⑦当然感じ取れない方もいらっしゃるでしょうから、ここでコツを一つお伝えします。

相手の方の足全体が、上の図に示されている矢印のとおり、外側に回転するようにわずかに開く訳ですから、あなたは逆に、ご自分の手を軽く内側にひねり、相手の方の足先がやや内側に向くような力を少しだけかけて待ち構えておくのです。

決して強く捻るのではありません、足先がやや内側に向く方向に軽く捻るような圧を加える…と言うイメージです。

こうするとずいぶん相手の方の動きが分かりやすくなります。

また、絶対的なものではありませんが、下の写真の様に、あなたの手の親指から拇指球のあたりに、相手の方の足の動きを感じやすいかも知れませんので、参考にしてみて下さい。

⑧そのままず~っと、相手の方の足を持ったままで、“脳脊髄液の循環リズム”を数え続けて下さい。相手の方の足が開くように回転し、あなたの両手を軽く押し返してきても、あなたはそれを許さず、そのままの位置で、相手の方の足に対して軽く内側に向けて圧力をかけ続けて下さい。

但し、強い圧力をかけてはいけません…。開いて押し返してくる相手の方の足を、自分のその手の位置のままで受け止めると言う意味ですので、決して、今の位置よりも、相手の方の足を強引に内側に捻りこんだりしないようにして下さい。

あくまでもあなたの手は動かず、相手の方の足の動きを受け止めているだけなのです。

⑨そのまま引き続きその状態を保持して下さい。数分経過した頃から(あるいはもっと早い段階から)『脳脊髄液の循環リズム』が少し不規則になってきていないでしょうか…!?

リズムが速くなったり、遅くなったり、あるいは強くなったり、弱くなったりといろいろ変化してきていませんか…!?これが…

「間もなく『静止点(スティール・ポイント)』に入りますよ…。」

と言う相手の方の体からのサインなのです。

引き続きそのまま行ってください…。

⑩いかがでしょうか…『静止点(スティール・ポイント)』に入りましたか!?

ある方は膨らみっぱなしの静止点、ある方はしぼみっぱなしの静止点、そしてある方はその中間の静止点かも知れません。

膨らみっぱなしの静止点を保持している方は、結構手が疲れるかも知れません。

しぼみっぱなしの静止点を保持している方は、何の手ごたえもなくなり肩透かしを食らった感じかもしれません。

その中間の静止点を保持している方は、何だか訳が分からない感じかも知れません。

いずれにしても、“脳脊髄液の循環リズム”が止まっている、

今この瞬間が『静止点(スティール・ポイント)』

と言われるもので、この時に相手の方に必要な治癒が起こり始めます。

『静止点(スティール・ポイント)』に入った瞬間にグーグー眠ってしまう方も結構おられます。

⑪この『静止点(スティール・ポイント)』はどれぐらいの時間続くのかは全く分かりません。その時々でいろいろで、数秒~数十秒のときもあれば、1分以上続くこともあると思います。

それは、相手の方の体が自動的に決めてくれますのであなたはかまわず相手の方の足を保持し続けて下さい。

しばらくすると、また思い出したように『脳脊髄液の循環リズム』が始まります。そして、その内にまた、不規則なリズムが始まって、その後再び『静止点(スティール・ポイント)』に入るということを繰り返します。

⑫このパターンを何セットか繰り返すうちに、また、この施術を何日か続けているうちに、『静止点(スティール・ポイント)』のあとに始まる“脳脊髄液の循環リズム”が非常に力強く、エネルギッシュで、生命力に満ち溢れた感じになってきます。

この様な段階を経て、その方の健康状態や自然治癒力、免疫力がうんとレベルアップし、その方に必要な治癒が起こるのです。

⑬現時点で『脳脊髄液の循環リズム』を感じられない方も心配いりません。感じようが、感じまいが、あなたはただひたすら、正しい方法で、相手の方の足のホールドをやや内ねじり方向に保持しているだけで効果を上げられます。 

2)『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』は何分ぐらい行うべきか?

さて、「『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』は何分ぐらい行うべきか?」ということについてですが、前項でご説明した、『静止点(スティール・ポイント)』の状態に、相手の方を何セット誘導出来るかがポイントとなります。

熟練してきますと極めて短い時間で、1回目の静止点に誘導できる様になります。私の場合なら、ほとんどの場合、1分未満で1回目の静止点に誘導できます(その方法は後ほどご説明いたします)。

しかし、なれない内は少し時間がかかりますので、出来れば最低10~15分はやっていただきたいところです…とくに最初の内は頑張って最低15分はやっていただいた方がいいかもしれません…。

これぐらいやっていただければ、トータルで、その方にとって必要十分なだけの、静止点に入っている時間を確保してあげることができる可能性が高く、

仮に現段階で、あなたが相手の方の『脳脊髄液の循環リズム』を感じ取ることができなかったとしても、

相手の方の足のホールドを、やや内捻り方向に軽い圧をかけて保持しているだけで、15分の間には、あなたの知らない内にその方は自然に必要十分な時間だけ『静止点(スティール・ポイント)』に入った状態を経験することが出来ます。

ただし、もちろん例外もあります…。

風邪やインフルエンザの解熱をねらう場合ならば、最低20~40分、場合によっては60分程度必要な場合もありますので念のため。

3)『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』はどれぐらいの頻度で行うべきか?

基本的に『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』にやってやり過ぎはありません。

毎日やっても、一日何回行なっても構いません。

特に今、健康を害しているわけではなく、健康の維持増進を目的としてするのならば、毎日行えば、疲労回復や免疫力のアップに役立ちます。

しかし、あまりに長時間やりすぎると極端なリラクゼーション効果が出すぎて、強い倦怠感やだるさなどを感じる場合もありますので、そこはご自身で最適量、最適時間を確かめながら行っていただきたいと思います。

また静止点(スティール・ポイント)に入っているときの反応の出方は人によって様々で全く何の反応も出ない人もいれば、それなりの反応を出す方もいらっしゃいます。

問題なのは、現時点で強い症状や、長年にわたる慢性的症状をもっている方の場合です。

この『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』を行うと、代謝や体液循環が急速に活発になり、ものすごい勢いで治癒へと向かう力が働きだすことがあります。

その為に、肩に問題を持っている方の場合でしたら、足首を保持しているだけなのに肩がズキズキ疼きだし、辛くなったりすることがあります。

これは急速に働きだした治癒力の影響で、問題のある部位に血管拡張とともに、修復物質が一気に集まって来ることなどが原因と考えられます。

この場合、治癒のために必要があって起こっている現象なので、乗り越えられるのであれば乗り越えていただきたいところですが、あまりにも痛みが強く出るのであれば、一旦間をおくとか、改めて日を変えて行う…などの配慮は必要になります。

(2)『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』をさらに効果的に行う方法について

それではここで、現時点で“脳脊髄液の循環リズム”を感じ取れている方のために、効率良く、少しでも短時間で『静止点(スティール・ポイント)』に誘導できるようにする為の、チョットしたテクニックをご紹介いたします。今のところ、“脳脊髄液の循環リズム”をうまく感じ取れない方も、今後の参考としてぜひ知っておいてください!

以下、その方法です。

①既に覚えたとおりの方法で、相手の方の『かかと』のあたりを優しく包み込むように持ち、相手の方の足先がやや内側に向くような力を少しだけかけて、“脳脊髄液の循環リズム”が分かりやすい体勢を整え待ち構えておきましょう。

②相手の方の足が、膨らむようにひろがって来たとき、「来たなッ!」と思ったらそれをじゃまするように、ご自分の手を少しだけ内側にひねることによって、外に開こうとする相手の方の足を同じ様に内側にねじります。最初に覚えた方法との違いは実に微妙ですので、そのわずかな違いを以下に整理いたします。その違いをよ~く理解して下さいねッ!

最初に覚えた方法は…

相手の方の足が、膨らむようにひろがって来たとき、やや内側に絞って構えている自分の手がその動きに負けないようにそのまま受け止めました…。これによって自然に『静止点(スティール・ポイント)』に入るのを待つのでした。

一方、今ご説明している方法は…

相手の方の足が、膨らむようにひろがって来たとき、やや内側に絞って構えている自分の手で、その動きを受け止めるだけではなく、それに対して、意識的に更に内側に抵抗をかけ、ひろがろうとする相手の方の足を邪魔して、内側にねじるのです。

ただし、邪魔して内側にしてねじると言っても、決して強い力をくわえるのではありません。

最初に覚えた方法の、受け止めている状態から、ほんの気持ちだけチョット強めに内側向きに少しだけ抵抗を加えるという感じです。

もちろん内側にねじる力を加え続けていると、15分もやる内には、相手の方の足が、思いっきり内捻りになってしまって、とんでもない姿勢になりますので、

ほんの気持ちだけ内捻り方向への抵抗を加えた後、相手の方の“脳脊髄液の循環リズム”がしぼむ段階に入って、開こうとしていた足が、自然に内側に戻りだしたら、あなたも抵抗をかけるのを止めて、通常どおりの待ち構えている手の状態に戻して下さい。

この作業を、“脳脊髄液の循環リズム”にしたがって毎回繰り返すのです。

これによって、相手の方の足の動きをただ受け止めて自然に『静止点(スティール・ポイント)』に入るのを待つよりも、もっと早く1回目の『静止点(スティール・ポイント)』に誘導することが出来るのです。

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4.実践編③

(1)静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)をセルフケア化する

前項では、足首把持による『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導』の方法を詳しく解説させていただきましたが、ここでは、その『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導』をセルフケア化して、自分自身の治療を行う『自己治療』の方法を解説いたします。

その原理、作用機序は他者に施術する場合と全く同じです。

1)実施方法

前項の解説の中で、静止点誘導(スティールポイントへの誘導)を行なう時、全身的な波及効果が高い代表的な施術ポイントは、『足首』と、それ以外では『仙骨』、『後頭骨』であると言う事をご説明しましたが、ここではセルフケアとして最も取り組みやすい、『後頭骨』からのアプローチの仕方をご説明いたします。

(1)「硬式テニスのボール」、もしくは同じサイズの 「子供用のオモチャの軟式ボール」(この軟式ボールはホームセンターなどのスポーツグッズ売り場に行けば2個入り600~700円ぐらいであります)。

硬さは限りなく母指球の柔らかさに近いものを選んで下さい。ピッタリの柔らかさがない場合は、そのお店の中にあるもので、可能な限り母指球の柔らかさに近いものでかまいません。また、硬さが何種類かあって迷う場合は、やや硬めのものを選んで下さい。

(2)購入した2つの「硬式テニスのボール」、もしくは同じサイズの「子供用のオモチャの軟式ボール」を、不要な片側のソックスかストッキングに入れ、 2つのボールが密着するように、しっかりと巾着のように、ソックスもしくはストッキングをしっかりと結んで下さい。出来上がりは下の写真の様になります。

(3)フラットな場所に仰向けで寝て、下の写真の様にこの2つのボールの谷間が、後頭骨に当たるように敷きます。

(4)この状態で、15分でも20分でも仰向けに寝ていただきますと、ボールの谷間の形状が、屈曲の際に膨らんでくる後頭骨の動きに、適度な抵抗をかけることになり、自動的に『静止点(スティールポイント)』に入ります。

2)実施の際の注意点

①急速にリラクゼーション状態に入った場合、このまま眠ってしまう可能性があります。人によっては、長時間の実施がマイナスに作用する場合もありますので、必ずタイマーをかけて行ってください。

②実施中にテレビを見たり、文字を読んだりなどは行わないでください。視覚から入る情報は極力カットしましょう。また首を捻ったりせず真っすぐ上を向いた状態で行ってください。

③首、肩、背中などの強い強張りがある場合などは、ボールの高さで首が曲げられることで、気持ちがわるくなったり、後から首の痛みなどを訴えるケースが稀にあります。

このような方の場合は、首から下の体全は座布団や布団の上に、そして首から上だけを、座布団や布団から出した状態でボールを敷いていただきますと、首がよりフラットになりますので、ストレスが軽減されます。

④この『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』は、出血性の症状や疾患、緊急手術が必要なケース以外には、何にでも対応できます。

ただ高血圧などに関しては、もちろん改善効果も高いのですが、後頭骨にそれなりに圧力がかかりますので、当然脳圧も上がります。この点を事前に充分にご理解いただき、皆様の自己責任の範囲内で、慎重に行っていただければと思います。

⑤慣れない内は、実施中や実施後に、後頭部に正座をした後の足のしびれによく似た感覚を感じることがあります。害はありませんが不快なようであれば、最初の内は時間を短くするなどして徐々に慣らしていってください。やがて、そのような現象は起こらなくなります。

⑥何らかの理由で後頭骨を圧迫することに抵抗がある方は、足首から『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』を行うことをおすすめします。

その場合は、ボール入りの巾着をもう1セット用意していただき、仰向けに寝た状態で2つの巾着のボールの谷間の部分を、両足の踵やアキレス腱付近のおさまりの良いところに敷いて下さい。

屈曲のさいに開いていく足に対して、ボールが適度な抵抗をかけてくれますので、これもまた自然に『静止点(スティールポイント)』に入ることになります。

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5.実践編④

(1)頭蓋骨の動きを調整する

その方が、どんな症状で悩んでいたとしても、『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』と合わせて、頭蓋骨の調整もしてあげれば、さらにその方の、自然治癒力、免疫力を高めてあげることに役立つ可能性が高くなります。

特に頭蓋を構成しているそれぞれの骨のつなぎ目に当たる『縫合』の、ミリ単位のわずかな可動性が正常な状態で確保されていないと、脳脊髄液の生成と吸収に伴って発生する頭蓋、そして全身の屈曲(膨らむような動き)~伸展(しぼむような動き)と言う動きに制限が起こり、たちどころに正常な『脳脊髄液の循環』が損なわれてしまいます。

1) 前頭骨の調整

まず最初は前頭骨です。この“おでこ”の部分の骨に、下の図の様に、両掌で優しくタッチして調整する訳ですが、この前頭骨も『脳脊髄液の循環リズム』に合わせてゆっくりと動いています。

その動きの方向は、仰向けに寝た場合、おおざっぱに言えば、下の図の矢印の通り、上に向いて持ち上がったり、下がったりと言う感じです。

もし触診してみて、上がったり下がったりと言うよりも、おでこが膨らんだり、しぼんだりする様な感じがするのなら、その動きと考えていただいても結構です。

①手の形のつくり方

a.下の写真の様に左右の手を自然に横並びにします。

b.5本の指はピッタリ揃える訳でもなく、大きく広げる訳でもなく、自然に楽な感じにして下さい。左右の手の間隔も極端に空ける訳ではありませんので、両手の親指は人によっては、自然にクロスするかも知れません。

c.前から見たときの手の形は、下の写真の白線の様に相手の方の額の形状に応じて丸みを持たせて下さい。

②手の置き方

a.先ほど作った手の形のまま、相手の方のおでこに触れる訳ですが、手の平全体で触れるのではなく、下の写真の白枠で囲んだ、4指の腹の部分をそっとおきます。その時に一番最初に練習した5gのタッチ(A4用紙1枚ぐらいの重さ)を守って下さい。

b.指の腹を置くときは、下の図の様に中指の先が相手の方の眉毛に少しかかるぐらいの位置を基準として下さい。

③前頭骨の動きを感じ取りながら『脳脊髄液の循環リズム』を調べてみる

a.『脳脊髄液の循環リズム』によって発生する、頭蓋骨が膨らんだり(屈曲)しぼんだり(伸展)する動きに応じて、あなたの指の腹に、相手の方のおでこが持ち上がる様に触れてきたり、あなたの指の腹から離れていく様に下がっていくのを感じ取れるように努力してみてください。

b.そして『足首』を把持して行った時の様に、相手の方の“脳脊髄液の循環リズム”を感じ続けて下さい…。

1分間に6~12回あることが目安です…そして、あくまでも5gの優しいタッチを維持してください。『足首』を把持して行った『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』のときの様に、あなたの方から押し返す様なことは一切しません。ひたすら5gのタッチでふれ続けて下さい。

④前頭骨から『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』をおこなう

a.この状態をしばらく継続していると、前頭骨がわずかに持ち上がってくるときに、あなたの手と前頭骨の間で発生する、わずかな圧力の変化が刺激となって、『脳脊髄液の循環リズム』に変化が現れてきます。

この時『脳脊髄液の循環リズム』が触診で感じ取れる方なら、この『脳脊髄液の循環リズム』が早くなったり、遅くなったり、

あるいは相手の方の前頭骨と、あなたの手の間に発生する極めて微小な圧力が、強くなったり弱くなったりした後、静止点に入るのが分かると思います。

『脳脊髄液の循環リズム』が触診で感じ取れない方も、今の段階では、5gのタッチのままで触れ続けていさえすれば、同様の作用を引き出すことができますので問題ありません。

b.この状態をキープしたまま、2分半~3分程度継続します。この事によって、自動的に前頭骨経由で全身が『静止点(スティール・ポイント)』に入り、前頭骨の縫合部分の可動性の不具合も解消され,その作用は隣接している側頭骨や頭頂骨などにもある程度は波及します。

このことによって、前頭骨の動きの正常化も図りながら、同時にさらに全身的な『脳脊髄液』の循環効率を高めていくことができます。

さらに上のテクニックでは『前頭骨リフト』と言って、5gのタッチのまま指を巧みに使い、おでこの骨を、あらかじめ膨らむ方向(屈曲方向)に微妙な力で牽引し、しぼんでいく方向(伸展方向)の動きに負けない様にさらに牽引し続けることによって、前頭骨の可動性のわるさを改善したりすることもあります。

しかし、これは少し難しいので、ここでは触れません(…できそうな方はチャレンジしてみてください…)。現段階では『脳脊髄液の循環リズム』が分かっていても、分かっていなくても、2分半~3分程度5gの優しいタッチを継続してあげるだけで十分です。

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6.実践編⑤

(1)頭蓋骨の動きを調整する

1)頭頂骨の調整

さて、次は頭頂骨と言う、頭のてっぺんの骨の動きの調整です。もちろん、この部位も前項で解説させていただいた前頭骨と同じく、『脳脊髄液の循環リズム』に合わせて動いています(…全身が『脳脊髄液の循環リズム』に合わせて動いています…)。

この頭頂骨の動きの方向は複数のベクトルを持ちますが、大雑把に言うと下の図の矢印の通り、帽子を脱ぐような方向に持ち上がったり、下がったりと言う感じです(…最初はこの方向への動きが一番わかりやすいように思います…)。

もし、上がったり下がったりと言う感じよりも、頭のてっぺんのあたりが膨らんだり、しぼんだりする感じがするのなら、その動きと考えていただいても結構です。

①手の形のつくり方

次の写真のとおり、両手の親指を重ね、親指以外の4本の指は自然な感じで広げて起きます。

 

②手の置き方

a.この両手の間で作られる空間で、下の図の様に、相手の方の頭を包み込む様にします。この時に、前頭骨の場合と同様、5gのタッチ(A4用紙1枚ぐらいの重さ)を意識しながら、4指の腹の部分でバランス良く優しくホールドし、指先だけが頭部に強く食い込んだりすることのない様に注意して下さい。

b.この時クロスしている親指は、相手の方の頭に当らない様にします。

c.またこの時に、あなたの人差し指が下の図の赤い矢印の位置のとおりの、耳の上端から5cmぐらいのところに来るようにして下さい。

③頭頂骨から『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』をおこなう

a.この状態をしばらく継続していると、頭頂骨がわずかに持ち上がってくるときに、あなたの手と頭頂骨の間で発生する、わずかな圧力の変化が刺激となって、『脳脊髄液の循環リズム』に変化が現れてきます。

この時『脳脊髄液の循環リズム』が触診で感じ取れる方なら、この『脳脊髄液の循環リズム』が早くなったり、遅くなったり、

あるいは相手の方の頭頂骨と、あなたの手の間に発生する極めて微小な圧力が、強くなったり弱くなったりした後、静止点に入るのが分かると思います。

『脳脊髄液の循環リズム』が触診で感じ取れない方も、今の段階では、5gのタッチのままで触れ続けていさえすれば、同様の作用を引き出すことができますので問題ありません。

b.この状態をキープしたまま、2分半~3分程度継続します。この事によって、自動的に頭頂骨経由で全身が『静止点(スティール・ポイント)』に入り、頭頂骨の縫合部分の可動性の不具合も解消され,その作用は隣接している前頭骨や側頭骨などにもある程度は波及します。

このことによって、頭頂骨の動きの正常化も図りながら、同時にさらに全身的な『脳脊髄液』の循環効率を高めていくことができます。

さらに上のテクニックでは『頭頂骨リフト』と言って、5gのタッチのまま指を巧みに使い、頭頂骨を、あらかじめしぼんでいく方向(伸展方向)に微妙な力で牽引し、膨らむ方向(屈曲方向)の動きに負けない様にさらに牽引し続けることによって、頭頂骨の可動性のわるさを改善したりすることもあります。

しかし、これは少し難しいので、ここでは触れません(…できそうな方はチャレンジしてみてください…)。現段階では『脳脊髄液の循環リズム』が分かっていても、分かっていなくても、2分半~3分程度5gの優しいタッチを継続してあげるだけで十分です。

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7.実践編⑥

(1)3つの手技法の運用方法

前項でもご説明しましたとおり、今回は『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』中から、3つの手技法…すなわち、

①『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』

②『前頭骨の調整』

③『頭頂骨の調整』

のみをご紹介いたしました。『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』の中には、今回ご紹介できなかった効果的な手技法がまだまだたくさんあります。

ちなみに『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』その全ての手順は以下のとおりです(…赤字の部分がこれまでの解説でご紹介した手技です…)。

STEP(1)…静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)

※後頭骨、仙骨、足首のいずれかから行う。

STEP(2)…横方向の膜の制限の解放

①骨盤隔膜(骨盤底筋群)のリリース

②横隔膜のリリース

③胸郭上口のリリース

④舌骨のリリース

⑤頭蓋底のリリース

STEP(3)…前頭骨

STEP(4)…頭頂骨①/頭頂骨②

STEP(5)…蝶形骨①/蝶形骨②

STEP(6)…側頭骨①/側頭骨②

STEP(7)…側頭骨③

STEP(8)…TMJ①/TMJ②

STEP(9)…硬膜管の評価①~③

STEP(10)…最後に再度静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)

※後頭骨、仙骨、足首のいずれかから行う。

ご覧の通り、今回解説させていただいたのは、赤文字表記の3つの手技法のみで、全体の中のほんの一部です…。

確かに上記の全ての手技法を全て習得していれば、より様々なケースに対応しやすくはなるのですが、今回は文字や写真を通してお伝えしやすいものとして、赤文字表記の3つの手技法のみに限定して解説させていただきました。

極めてシンプルな3つの手技法だけではありますが、一つ一つの手技の精度を上げていただければ、これだけでも、運用の仕方一つで様々なケースに一定のレベルで対応することは可能です。

1)施術手順とその考え方

『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』および、その運用方法の一つである『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』は、

『何か固有の症状を改善させるためのものではなく、からだ全体の機能、構造を正常化し、様々な症状が自然に治っていく体をつくるためのものであるッ!』

と、考えるべきだと私自身は思っています。

その意味でこの手技法は、個々の症状を追う…と言うよりも、体の基本的な機能、構造をより良い状態に効率良く整えることに重きを置いている ので、他の治療法とも大変相性が良く、うまく併用しさえすれば、専門医の先生が行ってくれる病院での治療などもより効果的なものになりますし、

これらの治療の過程でやむを得ず発生してくる様々な副作用の問題なども、最低限に抑えられる可能性が非常に高いです(体内の浄化作用、解毒作用が高まります)。

この点も十分にご理解いただいた上で、これ以降に解説させていただく、この『3つの手技法』の運用方法に進んでいただきたいのですが、今一度改めて以下の点をご確認ください。

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このサイトでは、『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の数ある技術の中から、一般の方が、家庭療法として応用しても差し支えない範囲の、極々一部の技術を解説し、必要な方には家庭療法として、自分自身はもちろんのこと、ご家族や大切な人のために、自己責任の範囲内で行っていただけるようになることを目的としています。

しかし、この『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』が極めてソフトで安全な方法であるとは言え、取り組むにあたって最低限注意しておくべき点もあります…。

具体的なテクニックについては、これまで解説させていただいたとおりですが、この『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』は頭蓋~仙骨間の脊髄内の『脳脊髄液』の流れを調整する訳ですから、体の中での水の成分の圧の変動(水圧の変動…)、すなわち体内圧の変動が発生します。その為…

①脳血管障害(脳卒中や脳梗塞など)で現在医師の厳重な管理下にある状態の方。

②血圧の異常に高い方

などに対しては、全くのノンストレスと言う訳でもありません…。

でもその反面、実際にはこの①~②のような方にも、この『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』は非常に有効に作用すると言う事実もあります…。

脳血管障害の既往のある方なども、自宅での生活がどうにか可能になっているレベルであれば、この療法に取り組むことによってその予後が非常に良くなる場合もありますし、高血圧でお悩みの方でも、血圧の安定化に大きく役立ちます。

その意味では、このような方々にこそ積極的に取り組んでいただきたいので、私自身はこれらの方々に対してもドンドン施術していますが、前述の通り体内の水の成分の圧の変化を起こし、『脳脊髄液の循環リズム』を正常化していくわけですから、そのプロセスで、頭蓋をはじめ、体内の各部位に何らかの圧力変化が起こりますので、それなりの配慮と慎重さは絶対に必要です。

このページをお読みの方は、あくまでも自己責任の範囲内で取り組んでいただかなければなりませんので、この点を十分にご理解の上、くれぐれも慎重な判断をお願いいたします。

③現在、出血性の疾患のある方

…体液循環が急速に活発になりますので、現在内臓などから出血があり、医師の治療を受けている方には行わないで下さい。

④常識的に考えて、医師の専門的治療を優先すべき状態にある方。

⑤上記以外でも、相手の方が嫌がったり、あなた自身の判断で、施術をためらわれる様な状況にある方には行わないで下さい。

上記のことが十分に理解でき、厳守できる方だけ、これ以降にお進み下さい!

2)実際の施術手順の一例

①『静止点誘導(スティール・ポイント)』で15分を目安に静止点まで何度か誘導する!

足首把持で『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)を行い、静止点まで、何度か誘導してあげてください。まずは15分ぐらいを目安に行えば、その間に何度か静止点に入るはずです。

『脳脊髄液の循環リズム』を感じ取れない方は、すでにご説明したとおり、相手の方の『足首』を持ち、やや内側方向にほんの少しだけ捻るような力を加えて、じっとしていてあげるだけで結構です。

ご自分の手が疲れるようであれば、いきなり15分行わなくてもかまいませんので、3分でも5分でも、無理なくやれるところからスタートして徐々に慣らしていって下さい。

②『前頭骨の調整』を2分半から~3分間行う!

具体的な方法はすでにご説明したとおりですが、くれぐれも5g程度のソフトタッチをお忘れなく。決しておでこを上から押し込んだりしなようにしてください。そして、『脳脊髄液の循環リズム』がわからない方も、5g程度のソフトタッチで2分半から~3分間優しく触れ続けてあげて下さい。

 ③『頭頂骨の調整』を2分半から~3分間行う!

基本的な要領は、頭蓋骨の動きの方向が違うというだけで、前述の『前頭骨の調整』と同じです。

④最後にもう一度『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』を3分から~5分間行う!

最後にもう一度、全く同じ要領で、足首把持で『静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)』を3分から~5分間行います。

『脳脊髄液の循環リズム』がわかっても、わからなくても、3分から~5分間行って下さい。

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以上となります。

3)補足

①このフローチャートは、わずか3つの手法のみでの運用例となりますが、それでもこの場合でも、施術に要する正味の時間は、24分~27分ですから、だいたい30分程度の時間を要します。

また、手数の多い少ないに関係なく、一つ一つの手技の精度を上げていきさえすれば、この様な手数を絞り込んだ形でも、様々なケースで一定レベルの効果は上げられるはずです。

②もし、『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』に取り組んでみてもあまり効果が感じられないケースに遭遇したとしても、

せっかく学ばれた素晴らしい技術ですので、どうぞ他の方や、他のケースに対してどんどん試してみてください。必ずその効果にご納得いただけるケースに出会われることと思います。

②適応症であっても、長い期間を要することもあります。特に難病の方の場合なら尚更です。根気良く、忍耐強く続けてください。

③適応症であっても、今回学ばれた3つの手技法以外の『頭蓋仙骨療法(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の技術や、『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』の全ての技術を学ばれた方が当然効果は高いです。ご希望の方は、ぜひ直接習いに来てくださいッ!!

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8.補足編

(1)『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の施術例

クレニオセイクラルセラピー(CST)事例紹介

※一部『エネルギー療法』との併用です。

1.慢性頭痛の小学生男児の例

(1)発症までの経過

運動中に右手小指を骨折。利き手であるため、ギブスが取れた後は右手小指の動きの不完全さを感じながらも、学校の授業で鉛筆を握り字を書き続けていました。不自然な鉛筆の握り方をせざるを得ない為、字を書き続けているうちに、腕の疲労が強くなり、その後、強い頭痛を慢性的に感じるようになり、痛み止めを常用しなければならなくなってきました。

(2)施術内容

①足首保持による静止点誘導…10~15分

②頭蓋底の解放…本人が苦痛を感じない範囲の時間

③前頭骨リフト(おでこ)…2分半程度

④頭頂骨リフト(頭のてっぺん)…2分半程度

⑤蝶形骨(こめかみ)…2分半程度

⑥側頭骨(耳を斜め下方に牽引するタイプのもの)…2分半程度

⑦右上肢への静止点誘導…5分程度

(3)経過

上記の内容の処置を1回行っただけでほとんど頭痛は出なくなりました。サッカー少年なので練習などで疲れた時は軽い頭痛がまれに出る場合がありますが、セルフケアの方法として、この子自身に「エネルギー療法」を指導しているので、少しでも痛みが出たら、この子は自分自身で頭に掌を当て自分で痛みを取り去ることができます。念のため10日に1回ぐらいのペースでケアにお越しいただいていますが、現在もほとんど頭痛は出てません。

2.慢性頭痛の成人男性の例

(1)発症までの経過

4~5年前から慢性的な強い頭痛に悩まされ、頭痛薬を片時も放さず常用している状態で、最近はかなりきつい頭痛薬も効かなくなっていました。また、頭痛が軽いときでも、痛みが強くなることを恐れて、ついつい飲む必要のない頭痛薬を飲んでしまうという、完全な頭痛薬依存状態となっていたそうです。

(2)施術内容

前項の小学生男児のケースとほぼ同じ施術パターンとなりました。

①足首保持による静止点誘導…10~15分

②頭蓋底の解放…本人が苦痛を感じない範囲の時間

③前頭骨リフト(おでこ)…2分半程度

④頭頂骨リフト(頭のてっぺん)…2分半程度

⑤蝶形骨(こめかみ)…2分半程度

⑥側頭骨(耳を斜め下方に牽引するタイプのもの)…2分半程度

(3)経過

上記の内容の処置を1回行っただけでその後1ヶ月間は全く頭痛が出なかったと言うご報告をいただきましたが、松山在住の方のため通うことが出来ず、その後の経過は不明です。

3.慢性疲労の成人女性の例

(1)発症までの経過

約半年ぶりに来られた際、異常にやつれ、やせており、顔色も真っ青で疲れ切っている様子がうかがえました。ご自身も「とにかく体がしんどい…どうにかしてもらえないか…」とのことでした。

(2)施術内容

①全身のスキャニング

掌で全身をスキャニングしていったところ、左側の骨盤の前面にエネルギーが強い熱感と、エネルギーの鬱滞を感じました。

②エネルギー療法・・・15分程度。

その左の骨盤の前面に徹底的にエネルギー療法を行いました。

③クレニオ・セイクラル・セラピー(CST)の10ステッププロトコルの全て

…40分程度かかりました。

(3)経過

強い熱感とエネルギーの鬱滞を感じた左骨盤の前面に掌をしばらく当てていると、その方が小さな唸り声と、苦悶の表情を浮かべ始め、脂汗を流しだしました。

「大丈夫ですか?」と聞くと、「なぜかそこを軽く触れられるだけで、すごくズキズキして痛い…。」とのこと。

こちらの「止めましょうか…?」と言う問いかけに対しては、「いえ、かまいません…痛いけど、何かもっと触っていてほしい感じがします…。」

とのことで、作用し始めた証なので、構わず継続していると、約15分ほど経過した頃に、突然こちらの掌に感じる熱感が和らぎ始め、急速にひんやりとした感じになり落ち着いて来ました。

それと共に、その方の苦しそうな表情も和らぎ、汗も引き、肌も桜色になってきた。この段階で必要な治癒がなされたのではないかと言う実感があり、ご本人も「嘘の様に楽になった!」と喜んでおられました。

左骨盤前面の異常な熱感のことを話すと、「実は左側の卵巣に以前から異常があり、明日の精密検査の結果如何で、手術するかどうかが決まるのです…。」とのことでした。

結果的にこの方は、この1回の施術で快方に向かい、その後手術をすることなく治癒しました。

4.てんかん発作の幼稚園女児の例

次に、初めて聞かれる方にとっては、にわかには信じ難い事かもしれませんが、『てんかん』の子供さんに対する取り組み例をご紹介いたします。

『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』

の開発者であるアメリカの内科医ジョン・E・アプレジャー博士のある著書の記述では、

『病院で、てんかんと診断される子供の内のおおよそ半分ぐらいは、脳そのものの異常ではなく、過剰な頭蓋内圧の亢進である…。』

と言った意味の記述があり、この様な、てんかんと診断されながらも、その本当の原因が脳そのものにはなく、頭蓋内圧の過剰な亢進にある子供は、その原因を除去すれば速やかに完治するとのこと…。

…私自身も、全くこれと同様なケースをずいぶん前に経験したことがあり、事実上たった3回の施術で完治に導いた経験があります。

2005年当時、幼稚園に通っていたRちゃん(女の子)は、同年の12月に、初めて、『てんかん』の症状が現れ、直ちに病院での治療を開始しましたが、その一方でRちゃんのお母さんは、何か納得のいかないものがあり、翌年の2006年3月に、私のところに相談に来られました。

いろいろ話し合った結果、しばらく継続的にお越しいただき、Rちゃんのコンディション管理をすると共に、お母さん自らも、頑張って『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の

『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』

を学ぶことにしました。

それ以降、Rちゃんは、病院の治療と並行して、10日に1回ほどの間隔で私の施術を受けることにし、それ以外の日は、毎日の様にご自宅で、お母様自らがRちゃんへの『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』…『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』の施術を行いました。

その結果、担当医から、通常なら、

「薬を服用しながら4~7年と言う長い時間をかけなければ、脳波を正常には戻せない…。」

と言われていながらも、事実上、13日間の間に行った、わずか3回の『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の施術で、先ずは脳波を正常な形に戻すことができました。

以下に、Rちゃんお母さんよりいただいたレポートを参考に、Rちゃんの、これまでの経過をまとめさせていただきます。

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Rちゃんのお母さんの手記

『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』を始める直前までの経過

…2005年12月に、はじめて「てんかん」らしき状況を確認…

12月26日の朝、突然痙攣。体が硬直し顔がピクッピクッと引きつる状態が1分位続く。その後こちらの声かけには目をつむったまま応じるが、そのまま眠る。病院に向かう車の中で右側頭部を押さえて痛いと言う。某公立病院でCT検査の結果異常なし。

2~3日前に胸が痛いと言っていたので、心電図もとるが異常なし。その日は1月中旬のMRI検査予約と1月下旬の脳波検査の予約をして帰る。病院で順番を待っている間に意識もしっかり戻り、普段と変わらない生活をする。

…2005年12月にK脳外科で受診の結果、「てんかん」と診断される…

12月28日の朝、2度目の痙攣。2日前と同じ様に、体が硬直し、顔が引きつる状態が約1分位ある。同じ様に目を閉じたまま呼びかけに応じるがそのまま眠る。30分位して頭が痛いというので、K脳外科へ。CT検査は異常なし。

しかし、脳波検査で1分間に5~6回異常波が診られたため「てんかん」と診断され、痙攣止めの薬を飲むよう先生から説明を受ける。また年明けのMRI検査の予約を取る。そして、

「長い治療になると思うので、専門の小児科で診察してもらった方がいいでしょう…。」

と紹介状を書いてもらう。しかし薬の副作用の話も聞かされたため、その服用をためらい、薬を飲ませたり、飲ませなかったりする状態が続いた…。

…2006年1月より、痙攣止めの薬を継続的に服用する様にする…

「CT、MRI検査では異常はないが、脳波検査で異常波があり、2回以上痙攣発作を起こしているため『てんかん』と診断する。」

との説明を改めて受ける。治療上のポイントとしては…

「薬の服用により、発作を起こさない期間を3年作ること(最初の先生の判断では7年…)。その状態が3年続けば、次の1年で薬を少ずつ減らし、間で何度も脳波検査をしながら、最短で4年で薬を飲まなくて良い状態にもっていける様、薬は毎日、欠かさず飲んで下さい。」

とのこと。そして、

「薬をやめた後も、発作がなくても、脳波検査は続けて受ける様に…。」

との説明だった。

1月の中旬、薬を飲んで下痢が続いたため、2回(夜と朝)勝手に薬を飲まさなかったことがあり、その為か、翌朝早く布団の中で3回目の痙攣発作があった…

その状況を見て、親の私自身が覚悟し、毎日必ず薬を飲ませることにした。その後は痙攣発作なし。

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以上が、私のところにお越しいただくまでの、Rちゃんの経過の概略ですが、これを踏まえた上で、お母さんと相談の結果、前述のとおり、平成18年3月より、Rちゃんには、私の方で間隔を空けながら『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』の施術を開始することに、

そして、お母様ご自身にも、『10ステップ・プロトコル(10段階の治療手順)』施術方法を学んでいただき、日常的に家庭療法として、Rちゃんに施術していただくことにしました。

以下、私の方でRちゃんに『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』を施術した際の経過です。

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1回目 2006年3月17日(金)の施術内容

①足首保持による静止点誘導…脳脊髄液の循環を活発にしつつ、人体の全ての機能を正常に戻す処置です。

②前頭骨(額の骨)リフト…本来なら、脳脊髄液の循環リズムと同期するはずの前頭骨(額の骨)の動きが、通常よりも異常に小さく、速いことが感じられました。軽くリフト(持ち上げ)し続けていく内に、ふわっ~と解けるような感触と共に前頭骨(額の骨)が持ち上がり、解放が起こった実感がありました。それと共に、Rちゃんが熟睡体制に入りました。

③他の頭蓋骨の調整部位も一通り触ってみましたが、自分には特に問題は無い様に感じられました。

④お母さんの話によると、頭蓋内圧が過剰に亢進しているためか、しょっちゅう目の痛みも訴えている…とのことでしたので、両掌でRちゃんの両目と顔をそっと覆ってエネルギー療法をおこないました。

しばらくしていると、自分の手が熱いのか、Rちゃんの皮膚が熱いのかわからないような、けっこうな熱感が伴ってきましたのでずっとそのままでいますと、自然にその熱感が治まり、ひんやりとした普通の感じになりましたので、私自身の主観的な判断で、何となくこの部分はもういいかな…? と思いました。

⑤次に、両掌をこめかみに軽く当て、頭を両サイドから優しく挟むようにしていますと、また同じ様な感覚がして、そのうちに治まりました。

…初回はこれで終わりましたが、熟睡してしまって、どんなに呼んでも起きないので、しばらくお母さんと話をしながら待っていましたが、一向に起きる気配が無い為、抱きかかえて車に乗せてお帰りいただきました。夕方お母さんに電話してみたところ、「何となく落ち着いており、機嫌が良い様です…。」とだけ、感想をいただきました。

2回目 2006年4月 5日(水)

初回と全く同じ治療をしました。前回感じられたようなリズム異常や、熱感は全く感じ取れませんでした。

3回目 2006年4月10日(月)

お母さんより「明日が脳波検査の日なので、念の為に…」との依頼がありましたので、2回目と全く同じ処置を行いました。特に問題はないように思われました。

そして、翌日の4月11日の脳波検査の時点では、それまで1分間に5~6回は確認されていた異常な波形が消え、非常に綺麗な理想的な脳波が記録されたそうです。

これは、前述のお母さんの手記の中でも書かれていた、

「薬の服用により、発作を起こさない期間を3年間作ること(最初の先生の判断では7年…と予測)。そして、その状態が3年間維持できれば、次の1年で薬を少ずつ減らし、間で何度も脳波検査をしながら、最短で4年で薬を飲まなくても良い状態にもっていける可能性がある …」

と言う、担当医師の予測とは大きく異なるものです。これを単に偶然とすましてしまうかどうかは、賛否両論でしょうが、いずれにしても、担当の専門医の当初の予測をはるかに上回る短い期間で、一旦は正常な脳波を記録できる様になったことは、紛れもない事実です。

私なりの感触としましては、初回の施術の際に、前頭骨(額の骨)の動きの異常や頭部の熱感(何か過剰なエネルギーが滞留しているような…?)が、明らかに解消されたことなどが、頭蓋内圧の正常化につながり、正常な脳波に回復したのではないかと推測しています。

またその後、お母さんから以下のようなお話もきかせていただきました。

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(お母さんのお話…)

「…脳波検査は12月28日、K脳外科で、2回目は1月中旬に松山の小児科で。2回とも異常波があり、K先生が某公立病院の先生宛に紹介状と一緒に検査データを渡してくれたので、その病院でも「てんかん」ですとの診断でした。

しかし、まだそこの病院では、脳波検査を受けてなかったので「一度、受けておきましょう」とのことで受けたのですが、「脳波に異常波が見られず…」とのこと…(途中省略)…「このまま薬を飲み続けて下さい。来月は、お母さんの問診だけで構いません… 次回の脳波検査は夏休みにしましょう。」とのことでした。

毎回渡部先生の『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』を受けると気持ち良く眠るR…最近、眠れない夜は「足もって」とおばあちゃんにお願いすることもあります。

薬の副作用もみられず、発作もなく普通の生活ができています。担当医の説明では、

「最短で4年、脳波がきれいになるまでにはもっとかかる子もいます。」

とのことだったのに、こんなに早く異常波がなくなっていたことがとてもうれしくて、をできる限り私も毎日続け、先生にもこれからもお願いしようと思っています。

5.肝機能障害の改善例

(1)発症までの経過

当時49才の女性です。ここ最近、体の疲れが取れず、頭や、顔面にも締めつけられるような痛みがあり、夜も熟睡できないため、朝起きるのが非常につらい状態が続いていたとのことです。

その年の8月末頃に突然、嘔吐し、自力では立っていられない状態になり、救急病院へ行くことになりました。(2)検査結果

①血液検査の結果…

リンパ球の割合が25.3%と非常に低下しており(通常35~41%)、逆に、好中球、好酸球、好塩基球等の顆粒球の割合が71.5%とかなり高くなっていました(通常54~60%)。これは、明らかに交感神経が継続的な過緊張状態にあり、血液循環も阻害されていることの証です。

②生化学検査…

10項目中、6項目に異常がみられ、特にγーGTにおいては、正常値10~50に対して、263と相当に高い数値となっていました。

※詳細は下記の検査結果表のとおりです(ご本人様の了承のもと公開しております)。

(2)施術内容

頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピ)とエネルギー療法によるケアの内容

この方に対して、その年の9月1日(月)より連続6日間、以下のとおりのケアを行いました。

①脳脊髄液の循環リズムの測定と静止点誘導(スティール・ポイントへの誘導)

足首把持で、脳脊髄液の循環リズムを測定しつつ、静止点(スティールポイント)まで4~5セット誘導しました。最初は脳脊髄液の循環リズムが、非常に弱く不揃いでした。約10分程度の継続で、正常なリズムに戻りました。これは、血液やリンパ液などの体液循環が正常に戻りつつあること、そして、交感神経の緊張が緩和され、副交感神経の活動が活発になり、体がリラックスモードに入るつつあることの証です。

②頭蓋の可動性の回復と脳脊髄液のリズム調整…

前頭骨(おでこの骨)、頭頂骨(頭のてっぺんの骨)などのつなぎ目となる頭蓋の縫合部分の可動性を回復させる処置を行いました。

この方の場合、脳脊髄液の循環リズムに応じて起こる、頭蓋を構成するそれぞれの骨の、固有の動きが非常に弱く、リズムもかなり遅い状態で、通常1分間に6~12は感じ取れるはずの動きが、部位によっては3~4回という状態になっていました。

これは、頭部を覆う組織や、結合組織、硬膜などが緊張し、常に頭蓋の内圧が高くなっていることを示しています(年がら年中、目に見えないきついヘルメットかぶり、頭を締めつけているのと同じです)

10分程度の処置で、頭蓋を構成するそれぞれの骨の動きも、脳脊髄液の循環リズムも正常に回復させることができました。

③エネルギー療法

エネルギー療法によって、以下の部位のケアを行い、関連する主要な臓器、免疫器官の賦活を図りました。

・頭部、顔面全域

・腋のリンパ節

・胸腺

・脾臓

・胃

・肝臓

・小腸

・副腎

全体で1時間程度の処置ですが、このケアを連続6日間行いました。

(3)頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)とエネルギー療法によるケアの効果、および再検査の結果

1)前項でご説明したケアを、9月1日~6日までの連続6日間行いましたが、1回目終了後直後から以下の様な変化が現れて来ました。

①初回のケアの晩から、ぐっすりと熟睡することができるようになり、目覚めが非常にすっきりとしてきたそうです。

②ケア開始から3日目ぐらいから、締めつけられるような、頭部や顔面の痛みを感じている時間が少なくなり、それを忘れている時間が長くなってきたそうです。

③ご主人様より、「皮膚の色(特に顔色)が良くなり、目に精気が蘇ってきた。」とのご感想をいただきました…ケア開始当初は、私が見ても大変顔色がわるかったように思えました。

④6日目には、全身倦怠感や、頭部や顔面の痛みが完全に消え、自覚症状らしきものはなくなりました。

2)その後、9月8日に改めて再検査を受けられましたが、その結果を次に添付いたします。

ご覧の様に、初回の検査で異常値を示していた項目のほとんどが、以下のとおり回復してきました。

①まだこの時点では、γーGTについて106と高値を示していますが、前回の検査結果が、正常値10~50に対して、今回は263と言う結果でしたから、そのことを考慮しますと、かなり改善していると言えます。

①白血球中の顆粒球とリンパ球の比率が正常な割合に戻ってきています。

②これは、慢性的な交感神経の過緊張が抑制され、副交感神経の働きが活発になってきた(交感神経と、副交感神経の切り替えのメリハリが出てきた)と言うことが推測されます。

③これらのことにより、血液やリンパ液などの体液の循環が、よりスムーズに、活発になってきた。

④また、夜間、熟睡できるようになり、十分な疲労回復が図れるようになった。

等々、これらが改善されてきた結果として、このような症状の改善がみられたのではないかと思います。

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これらの改善例が、皆様のご参考になれば幸いです。

(2)クレニオ・セイクラル・セラピー関連の参考書籍

『頭蓋仙骨治療(クレニオ・セイクラル・セラピー)』

を学ぶさいの、おすすめの参考書籍を一部ご紹介いたします。

皆様方の学習のご参考となれば幸いです。

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ご精読有難うございました。

hiko助

愛媛県にて活動中の典型的な

治療法オタク…手技オタク…

年収の大半を数々のセミナーの受講料に使い果たすも未だ迷走中(⌒-⌒; )💦…

使命は…

ご縁あって自分を頼って来てくださった難治性の疾患と向き合っている方々の

人生の良き伴走者であり続けることッ…ですッ!!

連絡先:hiko37623762@ezweb.ne.jp

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