更年期障害と言えば内科的なものばかりを連想しがちですが、実は痛みの領域に関するものも多くあり、意外かもしれませんが、よく聞く『40肩~50肩』などもその代表的なものなのです。
この『40肩~50肩』という呼び方は、正式な医学用語ではありません。
また、一口に40肩~50肩といっても、
腕が上がりにくい…。
腕を後ろに回しにくい…。
と言う程度の物から、
夜も眠れないほどの強い痛みに悩まされる方まで、
その程度、症状は様々で、かなりの個人差があります。
医療機関で下される診断名も、その程度に応じて、軽度のものであれば、
『肩関節周囲炎』
といわれたり、肩がガチガチに固まり、ほとんど動かせず、激しい痛みに悩まされるような強い症状の場合には、
『癒着性関節包炎』
などと言われたりするようです。
特に、このほとんど腕を動かせなくなるような、強い痛みを伴う、
『癒着性関節包炎』
は、肩の関節を覆っている関節包(かんせつほう)といわれる袋状の組織が過剰に収縮するこ
とによって、
強い痛みとともに、
腕が上がらない、
腕を後ろに回せない、
などの、つらい症状が表れてきます。
さて、その原因は何か…?ということになりますが、実はこの
『癒着性関節包炎』…
以前私が所属していた某医学研究所の見解によると、ホルモン分泌のバランスの変化が大きな原因となっている、
『更年期障害の一種である…。』
と言う見方もできる…との事です。
その見解の概略をご説明しますと、最初にもご説明したとおり、更年期障害と言えば内科的なものや、自律神経的なものばかりを連想しがちですが、実は痛みの領域に関するものも多くあり、そのほとんどは、加齢による代謝の異常が原因です。
人間は長く生きていると各組織の細胞にアポトーシス(細胞の壊死…)といわれるものが発生して来ますが、それがある一定のレベルを越えると、一度再調整する必要が生じ、
『副腎皮質系ホルモン』
といわれるものから、その再調整が始まります。
特に、更年期といわれる40~50才代になりますと、多くの方が、ほとんど例外なく内分泌代謝のバランスが変化してきますが、中でも、この副腎皮質系ホルモンのバランスは大きく変化します。
そしてこの時に、筋肉や関節などの運動器系の状態も大きく変化し、このことが
『癒着性関節包炎』
を発症させてしまうの原因となるのです。
しかし、だからと言って必ずしも全ての人が発症するというわけではありません…。
この症状は、内分泌代謝のバランスの変化が、その人にとって許容できる範囲を越えた時に発症する為、発症する人と、しない人がいるのです。
そして、運わるく発症した人でも、前述のとおり、その症状の程度には、大きな個人差が見られます。
ただこの症状も、やがては自然に改善されては行きますので、放っておいても治るといえば、治るのですが、
それではその間がかなり辛いし、我慢するには、あまりにも期間が長くかかり過ぎますし、自然治癒に任せていただけでは、改善後に若干の関節の動きの不具合等が残る可能性もありますので、やはり何らかのケアは行った方が良いです。
かといって、力任せに肩を動かすような強引な施術はいけません。
痛みを感じる様な強引な方法ですと、より一層の緊張が、筋肉や関節包を襲い、症状を悪化させる事になってしまうので、
この様な状態の方への施術は、その方が痛みを感じないほどの、極めてソフトな方法で行うべきです。
そのポイントは、超ソフトな刺激で、副腎皮質系のホルモン分泌のバランスを、正常な状態に戻すことです。
これが最良の手段となります。
逆にいうと、副腎皮質系のホルモンにインパクトを与え、その分泌を正常にする為には、極めて微弱な刺激で十分であるということで、くれぐれも無理は禁物なのです。
『癒着性関節包炎』
も含めて、肩の症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談下さいッ!!