ある意味…痛みの止め方も、痒みの止め方も一緒…!?
と言うお話です。
ちょっとややこしいお話になりますが、少しだけおつき合いください。
全身をめぐっている神経には、様々な呼び方や役割があり、脳から直接出ている神経を
…脳神経
と言ったり、
一つ一つの背骨の間から出ている神経を
…脊髄神経
と言ったり、また役割によって脳の指令を筋肉に伝えたりする神経を
…運動神経
皮膚で感じ取った情報を脳へ送る神経を
…知覚神経
と言ったりもします。
また、それぞれの神経ごとに、その太さや情報の伝達速度も異なるのですが、
その特性をうまく利用すれば、痛みや痒みの改善や抑制が可能なケースが、少なからずあります…。
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例えば…
痛みの情報を脳に伝える神経のサイズと伝達速度に比べて、
筋肉や腱などの中にある、センサーのようなものが感じ取った、
筋肉の長さの変化や、腱にかかる張力の変化などの情報を、
脳に伝える神経のサイズと伝達速度は大きく速いので、
適切な方法で筋肉や腱を刺激すると、
その情報伝達量が、痛みの情報伝達量を上回り、
ある段階で一旦、痛みの情報を遮断してしまう…。
痛みを伝えるルートの門(ゲート)を閉じてしまう…。
と言う現象が起こります。
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スポーツ選手が運動中にケガの痛みを忘れていても、運動終了後にまた強い痛みを感じる…。
というのも同じ理屈で、
運動中は、筋肉や腱に多種多様な複雑な刺激が入るので、
その情報を大量に脳に送り続ける過程で、
その伝達速度や情報量が、痛みの情報の伝達の速度や情報量を上回り、
結果的に運動中の痛みを感じなくさせてしまう…。
と言う現象が起こるのです。
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この原理を、一般の方の様々な痛みや不調の改善にも、応用することが出来ます。
施術やセルフケの際に、適切な方法で筋肉や腱を刺激し、
その情報をドンドン脳に送り続けて行くことによって、
一旦は、その痛みや不調を感じなくさせる…。
あるいはその程度を軽減させることが可能なのです。
『でも、それでは痛みや不調を感じないようにして、ごまかしているだけ…一時しのぎにすぎないのではないか…!?』
と思われるかも知れませんが、
実は決して一時しのぎで終わることはなくて、
この様な方法で、一旦はその痛みや不調を忘れられる時間を体に与えてやることによって、
神経系のリラックスによる適度な血管拡張が起こり、血流が改善するので、
結果的に損傷部位の治癒過程を促進することに繋がるのです。
しかも痛み止めの薬などによる、鎮痛作用とは違い、体にも全く負担がかかりません。
この考え方は、痒みの遮断にも応用できますので、
アトピー性皮膚炎の改善などにも、大いに役立ちますッ!
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あと、ちょっと話がずれますが、
『昨日はあそこが痛くて…今日はここが痛い…。』
と言うように、時々刻々と痛みの場所が変わる方の場合でも、この原理が働いているケースがあります。
慢性的な痛みや不調でお悩みの方は、ご本人が気づいていないだけで、
大概複数の個所にダメージがあります。
この様な場合、複数ある損傷部位の中でも、
最も痛みの強い、上位1~2番目の痛みが、それよりも程度の軽い痛みの情報を遮断してしまうので、
その1~2ヶ所のみの痛みを感じる…。
そして、その部分が癒えて来るにつれて、
今まで感じていなかった損傷部位の情報が伝わり始めるので、
当事者としては、治癒の過程で、
『昨日はここ…今日はここ…と言うように次々と痛みの部位が変わってくる…。』
と感じることになる訳ですッ!!
~~~ヾ(^∇^)/ッー♪